<湿布について>
第1世代:昔の湿布では、水分を含む気化熱とメントール剤によって冷涼感を感じる「冷湿布」と唐辛子やカプサイシンを含む「温湿布」がありましたが、効果は少なかったです。
第2世代:十数年前より強力な消炎鎮痛剤を用いた湿布が開発され、一定の効果が見られます。現在広く使用されています。
第3世代:従来の湿布剤は貼付した局所に効果を発揮しますが、最近ではさらに全身に作用する湿布剤が開発されています。副作用などで消炎鎮痛剤を内服できない方にも効果を発揮することが少なくありません。腹部にこの湿布を貼付して腰痛が軽減することもあります。
<サプリメントは膝に効くか?>
テレビのCMで膝関節の軟骨に効果を有するとされているグルコサミン、コンドロイチンやヒアルロン酸を服用することが宣伝されています。これらの成分を服用した場合は大きな分子であるために体内では大きな分子がアミノ酸に分解されて吸収されます。この分解されたアミノ酸が必ずしも再び関節軟骨を修復したり、構成するわけではありません。これらのサプリに関する研究は世界各国で行われていますが、多くは軟骨再生について否定的な見解を示し、「痛みに効果がある」という少数の論文があるのみです。さらなる研究成果を待つ必要があります。
<関節の水を抜くとクセになるか?>
関節の水(関節液)は抜くから貯まるのではありません。関節液は関節の滑りを良くし、関節軟骨に栄養を与える粘稠な液体で、正常では関節軟骨表面を潤すだけのわずかな量です。しかし、関節内に炎症が起こると過剰に産出され、関節水腫となります(これを一般の方は「水が貯まった」と言います)。関節穿刺(水を抜くこと)を行うことで、関節水腫に伴う疼痛や可動域制限を解消するだけでなく、穿刺した関節液の性状を検査することで関節水腫の原因を診断するのに役立ちます。
<副作用のない薬をください?>
ほぼすべての薬に副作用があります。医療機関で処方される薬には、詳細な情報が記載された添付文書が付いています。どのような薬にも副作用の記載があり、従って副作用のない薬は存在しないと考えて差し支えありません。薬の副作用を心配する気持ちは理解できますが、副作用を恐れるあまり薬の効果を享受できなくなることもあります。現在医療機関にて処方される薬は、膨大な検証を経て厚生労働省がその安全性を認可しています。大切なのは、主治医からその薬の特徴と起こりうる副作用についてよく話を聞くことと、現在服用している薬を主治医に提示して新しい薬の処方について相談することです。